私は講座で砂糖のお話しをする際、三温糖は上白糖よりも選ばないでほしいと伝えています。
三温糖は、ミネラルが多い・煮物に使うとうまみが出ると言われていて、
好んで使用している方もいらっしゃいます。
色も茶色なので、精製されておらず良いものと判断してしまう方が多いのではないでしょうか。
需要も高く、上白糖よりも値段が高いのが特徴です。
実際は、上白糖と同じようにカルシウムやミネラル・ビタミンを排除したり、
素早くカラダに吸収され、急激に消費されるため、気分のアップダウンが激しくなったりと、カラダだけでなく精神的な部分にも大きく影響をすると言われています。
実は、上白糖を作る際に結晶化されなかった糖液を再度温めて作られるのが三温糖です。
三回温めて作られるお砂糖ということで三温糖という名前がついています。
(本来は3回ではないですが。。。)
ということで、あの茶色は酸化した色ということになります。
また原料を見ると『カラメル色素』と書かれているもののあるかと思いますが、
茶色の色を付けるために使われます。
カラメル色素は発がん性のある添加物だと言われていますので、
できるだけ避けるのが良いと思います。
40年間以上大手砂糖メーカーに勤めていた方からお話しを伺った時も、
三温糖については良い評価をしていなかったのが印象的でした。
砂糖も、脳の働きやホルモンの分泌などに大きな役割をしています。
砂糖をまったく摂取しないというのも、違う気がします。
使用する際はできる限り良質な砂糖を選んでいきたいですね。
私はみりんが大好きで、料理に使用する時は、
ちょっとコップに入れて、飲みながら調理したりすることがあります。
★みりんはお酒
そんなみりんですが、昔は飲用として、特に女性などに飲まれていました。
正月に飲むお屠蘇も、みりんに屠蘇散を漬けて作ります。
本みりんには14%のアルコールがあり、酒税法において混成酒類という分類に入り、
酒販免許のあるところでのみ、販売が許可されています。
(なので、お酒が売っていない場所で販売されているみりんは、ホンモノとは言えないのです…。)
★使用上の注意
・アルコールがありますので、通常使用する際は煮切りを行ってください。
・砂糖の代わりにみりんを使用する方もいらっしゃると思いますが、
入れすぎるとくどくなりますので、ご注意ください。
・焦げやいので、照り焼きなどは、ある程度素材に火が通ってからつけられると良いでしょう。
みりんには様々な効果があります。
ぜひ上手に活用してくださいね。
「照り・ツヤを出す」
砂糖+酒を使うよりも、照りやツヤが出やすいです。
みりん干しなどのテリは、この効果ですね。
「甘味をつける」
本みりんには、甘味があります。
砂糖には出せない、奥深さを出します。
甘味は、砂糖の1/3と考えてください。
「味がしみ込む」
みりんのアルコールが、素材の中にしみ込みやすいため、素早く味が付きます。
味付の際、一番最初に入れると良いと思います。
また、料理の味付けが均一に整ったり、他の調味料とのバランスをとることができます。
「煮崩れを防ぐ」
みりんの中にある、糖類とアルコールの作用によって、
煮崩れを防ぎ、うまみの流失を防ぎます。
肉料理など、早めに入れてしまうと、お肉が固くなる可能性もあるので注意してください。
「臭みをとる」(マスキング効果)
魚などの生臭さをとる効果があり、料理をおいしくしてくれます。
みりんには、このような効果があります。
ただ、やはりしっかりしたものを選ばないと、
その効果が十分に発揮しませんので、ぜひ良質なものを選んでほしいと思います。
★注意
ホンモノのみりんでない場合は、上記の発揮しないことがあります。
できるだけ上質なみりんを選ぶように心がけたいですね。
みりんには、本みりん、みりん風調味料などがありますが、
どのようなものを選んでいますか?
ホンモノのみりんは、全シェアの4%しかなく、
その中に5社が頑張っているというのが現状です。
★みりんはおいしい!
ホンモノのみりんは、おいしく飲めます。(アルコールがあるので、適量に…)
みりん風調味料は、私は飲み込むことができないぐらいまずく感じました。
まずいものを料理の中に入れて、おいしくなることはないと思うので、
できる限り飲めるみりんを選んでほしいと思います。
★みりんの原材料
ホンモノのみりんの原材料は、『もち米』『米こうじ』『焼酎』です。
焼酎まで自社で作っている所も限られたところです。
できたらこれだけが書いてあるものを選んでほしいと思っています。
ただ、先ほど述べたように、市場の4%しかシェアがないので、
普通のスーパーでは、なかなか手に入らないのが現状です。
★スーパーでのみりんの選び方
『本みりん』と書いてあれば、大丈夫かな?と思う方も多いかもしれませんが、
少し注意が必要です。
①お酒を扱っているスーパーでみりんを選ぶこと
みりんはお酒に分類されるので、酒販免許がないと販売ができません。
お酒を扱っていないお店に置いてあるみりんは、
「みりん風調味料」や塩を添加した「発行調味料」として、
お酒として販売できないものが売られています。
②本みりんの原材料を見ること
スーパーで販売している本みりんの原材料の多くは、
『もち米』『米こうじ』『アルコール』となっています。
これだけが書いてある物でしたら、良いと思います。
★注意が必要なこと
本みりんには、上記原材料以外に『糖類』が入っているものがあります。
なぜかというと、焼酎でなくアルコールで作ると甘味が少ないので、
糖類を添加して、甘さを調整しています。
みりんを購入する時は、本みりんを手にとって、
原材料に『糖類』が入っていないものを選んでくださいね。
★その他
ものによっては、もち米や米こうじにをタイ米にしているケースも多いです。
こだわりたい!という方は、国産を選ぶのも良いでしょう。
通信教育の監修をしています。『食学調味料アドバイザー』の資格が得られます!
私が直接指導する、通学・ZOOM対応もしています。
私が主催する調味料の魅力に迫るイベントは、
公式LINEにて発信しています!
調味料エバンジェリスト(伝道師)
下倉 樹(いつき)
・一般社団法人国際食学協会 理事
(食学調味料講座 監修)
調味料を自分で選ぶチカラを育む講座、子ども・親子向けワークショップ、メーカー見学ツアーなど、調味料の魅力に迫る企画を行う。
講座数2,000件以上、延べ2万人以上参加。
調味料メーカー見学、全国220件以上。
メディア出演多数。
3姉妹の母。山梨県出身。神戸市在住。
良質な調味料を選ぶメリットについて書いています。